X68000コピー問題記事集〜LOGiN 1991/10/4号より〜

緊急!X68000が、非常に危ない(マジ)コピーのほうが多い!?

最近、X68000新聞社あてに、X68000の将来が心配です、などと書かれた
はがきが届くようになった。この人たちはコピー問題によるソフト開発中止を
心配しているわけだが、ちょっと心配するのが遅すぎるのではないだろうか。
ログインに限らず、一般的なコンピューター雑誌では、以前からコピーは
やめよう、と書いてきたわけだが、なぜ、今ごろになってユーザーの間で問題と
なったのか?

ことの発端はログイン14号に掲載されたズームの”ありがとう広告1991”
である。見ていない人のために一部を抜粋すると、「例のムダンフクセーの
件なんですが(中略)今後ことと次第によっては、他機種に移らないと
ズームは・・・」、というもの。また、マイコンBASICマガジン10月号のSPS
スピリッツにもSPSが書いており、今までたかをくくっていた人も、やっと現状に
気づいたようなのである。

ソフトハウスがこういった広告を出さざるをえなくなった以上、謙虚に受け止める
ことが重要で、単なる脅しでは、とか、高価格の言い訳なんだろう、という
ことは、非常に危険な考えだ。ソフトハウスだって、慈善事業なわけではない
ので、利益がなくなれば開発中止するのは当たり前である。実際、ラインを
切ってしまったメーカーもあるし、これはユーザー自身がコピーをやめる以外に
方法はない。というのも、プロテクトをガチガチにかけても、立ち上がりにくく
なってしまったり、より経費がかかって定価の上昇につながってしまうからだ。

とあるソフトメーカーのOOさんに話をうかがってみた。「予防方法ですか?
はっきりいって、どんなことをやってもイタチごっこなんで、どうしようもない
ですね。一番確実なのは、ハードのプロテクトをかけてしまう方法なんですけど、
これだと定価が2万とか3万になってしまうんで・・・・・(笑)。それに、そんなことを
しているんだったら、ゲームを作る時間に費やしたいですしね。」

実際問題、ゲームの新作タイトルが、かなり減っているのはわかるだろう。また、
メーカーによっては販売形式も変わってきているなど、業界がコピーの警告を
している、という状況から、ユーザーが変だな、と感じとれる縮図にまで
きている。これは病気の症状と同様、表面に微候が現われるということは、
内部はかなりまずい状態なのだ。

いつもはふざけているログインだけど、今回はマジだぞ。いかに、重大な事態に
なっているかを察し、予防してほしい。

CAUTION 現状はここまですごい

いったい、どのような現状か。事情通を交え、コピー問題について対談してみた。

三宅 今、コピー野郎って、どのくらいいるんですかね。

A氏 なんでも、タイトルによっては、マスターの4倍以上もコピーがある
 そうです。最近、1万本でヒットと言われていますが、X68000は13万台
 出ているんですよ。ヒット作なんて数万台レベルで可動していますから、
 1万本に対してコピーが5万本くらいなんてザラです。


梅本 なら、どうしてコピーツールなんてものが出回っているんでしょう。
 その存在自体、納得いかないものがありますけど。

A氏 基本的にバックアップツールということで、マスターの事故を防止する
 ためのものなんです。まぁ、もちろん、そんなことをしている人は稀ですが。


三宅 当然、そのツールを扱っている人たちだって、バックアップには使われて
 いないことだって知っているんですよね。

A氏 某メーカーの社長さんがX68000をショップに買いに行ったときの話で、
 おもしろいものがあるんです。ハードディスクモデルを買ったら、ショップの人が
 サービスとしてゲームを何本か入れておきました、と言ったんです。それが
 そのメーカーさんのゲームだったんですよ。あきれて、あぁどうもすいません、
 て言ったそうです(笑)。


梅本 そういえば、いまだにソフトのレンタル屋が、中古売買として残っている
 みたいなんですけど、あれはどうなってるんですかね。コンピューターソフト
 ウェア著作権協会が、もっとガンガン動いてくれてもいいと思うのですが・・・。

A氏 年会費が上がった、って聞きましたけど(笑)。

三宅 でも、ショップもそうですけど、個人レベルで落としている人も多いよう
 ですが。

A氏 ”F”なるツールは強力ですからね。最近、”F”用プロテクトをかけている
 ソフトもあるくらいですが、別のツールを使ってしまえば関係ないですし。もう、
 根こそぎですよ。


梅本 ユーザーの人たちは、そういった行為が、自分たちのクビを絞めることに
 つながっている、ということに気がついてないんでしょうかね。

A氏『パロディウスだ!』のデモにバッチ当ててプレーしちゃうくらいですから。
 まだ他人レベルに思っているんでしょう。


三宅 最後は個人のモラルしだいというわけですね。ショップで売っていても、
 買わなきゃいいわけだし、もっと大人になってもらわなきゃイカンですな。

A氏 基本的にダークサイドな人たちですから(笑)。

梅本 X68000の未来は、キミたちユーザー自身にかかっていることを
 忘れないでほしいな。
舞断複製行為ヲ、即刻停止セヨ

LOGiN 1991/11/15号より〜

続・コピー問題を考える
いや〜、地球の温暖化に拍車をかけるほど、凄まじい量のおはがきが
届きました。特にコピーは熱くなる問題だけに、怒りに我を忘れたような
はがきがあまりにもあったので、また書いてしまいます。

コピー肯定派の意見は、以下のふたつに収束されています。
@価格が高い。我々のおこずかいは1万円以下。月に何本も買うのは無理で
ある。よってコピーする。
Aお金を出して買うほどの内容ではない。したがって、上と同じ理由によリ
コピーする。

もちろん、他の意見もありますが、だいたいこんな感じでした。結論からいうと、
法律で定められている以上、いかなる理由によっても、コピーをしてはいけない
のです。学校で習ったでしょ?

さらに、Aの理由にいたっては、そんなにつまらないとわかっているゲームなら、
コピーしてまでも遊ばなきゃいいんじゃないでしょうか? これは@にも共通する
のですが、価格が高かったり、つまらなかった場合、もし、1本も売れなかっ
たら、メーカーもそれなりの対処をするでしょう。かえって、買い支えや法律を
破ってまでのコピー行為は逆効果なんです。

最後に、コピーによって売り上げが落ちているのは本当の話です。だって、1本
でもコピーすれば、1本分の売り上げが落ちているじゃないですか。

LOGiN 1991/12/6号より〜

続・続・コピー問題を考える
前回、再びコピー問題を取り上げたんだけど、ちょっとスペースが足りなかった
ので、今回も引き続き書かせてもらうぞ。

一番多かった意見に、コピー人口が多いなどというデタラメを載せるな!!
というものがあったけど、逆に何を根拠に少ないと言えるのでしょうか?。
プロテクトの外されたソフトは、次から次へと流れていくので、コピー元の人には
わからないでしょう。

事実、コピーを以前していたという人のはがきが何通も届きましたが、タイトルの
数が100というのはザラだそうです。こういった現状なわけだから、少ないという
ことはないはずです。

また、なぜPC-9801のほうがコピー人口が多いにも関わらず、X68000
新聞にこういった記事が載るのか、についてですが、それは単純に”率”が
違うからです。別にX68000の人気を下げよう、とか、PC-9801は関係ない
とかいうわけではないんですよ。わかってもらえたかな?

最後に、X68000新聞は買い支えをしろ、とは言ってません。また、マスター
からコピーしてもらうくらいなら、その友達に貸してもらいましょう。いつまでも、
発売されるソフトが多いから、なんて考えてるのは危険だぞ。とか書くと、
おどかして人気を下げよおってんだろ、という人がいますが、そんなわけ
ないですよ。別にそう思うならそれでもいいですけど。

マイコン BASIC Magazine 1991/9号より〜

パロディウスだ!アーケードのヒットゲームを究極の移植

名作グラディウス・シリーズの流れを受け経ぎつつ,ギャグとパロディを
前面に押しだしたシユーティング・ゲームが『パロディウスだ!』。もとは
コナミMSX黄金期に作られたMSX用ゲームだったが,アーケード版はそれを
大幅にグレード・アップした。そして今年4月に発売されたX68000版は,
そのアーケード版を忠実に移植したもの。徽妙にちがうと,マニアックな指摘も
挙がっているが,ここまでやってくれれば究極の移植と言っても過言ではない。

コピーはキミのマシンの寿命を縮める

シューティング・ゲームの寿命はパソコン・ゲーム市場では,そう長いものでは
ないかもしれないが,『パロディウスだ!』は,ある程度ロングランとなって
しかるべきソフトだ。オリジナルのゲームが持つおもしろさ,この移植度,
そしてMIDIをつなぐとアーケード版以上のBGMが流れる,という点から
客観的に考えても,現在10万人以上いるX68000ユーザーに,文句なしに
オススメできる。

ところが,コナミから聞いた話だと,X68000ユーザー数の4分の1の本数も
売れていないらしい。実際のところは,半分以上のユーザーがソフトを
持っているにちがいないのに,だ。

X68000は,数あるパソコンの中でもマニア色が非常に強い環境にあるハードだ。
したがって,プログラミングに熱中するユーザーも多いし,パソコン通信などで
さまざまなツールが流通するスピードも速い。さらに言うなら,あくまでもこれは
ボクの推測だが,ソフトのコピー率がもっとも高いパソコンなのではないだろうか。

パソコンは,発売されてから年月がたつと,どうしてもこうした状況に陥って
しまう。泣きをみるのはソフトハウスだ。3年前は4万本売れたのに,ハードの
台数が伸びているにもかかわらず,今はソフトが2万本しか売れない。

どうせソフトを作るのなら,本数がでるマシンで制作したいと思うのが人情でも
あり,経営上の基本でもあるだろう。よって,ソフトハウスはそのマシン用の
ソフトを発売するのをやめていってしまう。

つまり,だ。ソフトをコピーするということは,その制作元ソフトハウスがキミの
パソコンから撤退する原因を作っていることになるのだ。よく「××××の
ソフトハウスは,どうしてボクの機種を見捨てるんですか」という意見を言う人が
いるが 少なくともコピー・ユーザーにその意見を言う資格はないように感じる

自分のパソコンの維持費だと思ってもよい。優良ソフトは買うべきだし,コピー
は犯罪であることを銘すべきだ!! by山下 章

マイコン BASIC Magazine 1991/10号より〜

山下:先月号の『パロディウスだ!』の記事に関しては,さまざまな反響を
いただいた。立場上触れることができない部分もあるのだが,どうしてボクが
あれほどキツイ文章を書かなければならなかったのか,深読みしてほしい。
事態は,そこまできているのだ。

マイコン BASIC Magazine 1991/9号 SPSスピリッツより〜

では,先月号でのお約束をひとつ。SPSではなんと開発の一部のラインが
アミューズメントからの移植ではなくコンシューマ部門へと突入し,既に開発が
進められている。だからといってX68000から離れるわけでもないから心配
しないでねと言いたいところなんですが,思い切って書かせてもらいますけど,
某雑誌でZOOMさんの「ありがとう広告・1991・」のムダンフクセーについて
コメントされていた件では我が社も同じ考えです。今後予定されている製品の
発売が完了したら事としだいによっちゃあ…とのことですよ。
わかっていただけましたよね?皆さんの意見も聞きたいです。お便りください。

マイコン BASIC Magazine 1991/10号 SPSスピリッツより〜

先月号ではちっと勝手に書かせてもらって,反響もちらほら耳にしてますが,
この後もじゃんじゃんビッグタイトル数本控えてますからね。SPSとX68000
ちゃんはずっと仲良しでいたいから、このまま行くところまで行くはずです。
ただ一家に一本とは言わないからX68000ちゃん維持している君達には,
このゲームは買いだなと思ったなら素直に買っていただきたいと,うちだけの
ソフトに限らず,全ソフト会社で願っていることです。いいたかったのは
それだけです。グチグチ長くなりそうなのでこの辺でやめときます。

X680x0用バックアップツール